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2024.11.18

民法

所有者不明土地について

ここで話題を変えまして、今回から所有者不明土地の問題を見ていきます。不動産登記簿と所有者が一致しないいわゆる『所有者不明土地』が増加し、弊害が指摘されています。その対策として民法等一部改正法・相続土地国庫帰属法の制定などの法整備が図られました。

1.所有者不明土地の定義

まず、法務省によると所有者不明土地は下記の通り定義されています。

① 不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地

②  所有者が判明しても、その所在が不明で連絡が付かない土地

 私流にものすごく簡単に定義すると、『亡くなられて名義変更しないでそのまま放置された土地』という感じでしょうか。

2. 所有者不明土地が生じる背景・問題点

【所有者不明土地が生じる背景】

① 相続登記の申請は義務ではなく、申請しなくても不利益を被ることは少ない。また、登記そのものにコストがかかる。

② 都市部への人口移動や人口減少・高齢化の進展等により、地方を中心に土地の所有意識が希薄化・土地を利用したいというニーズも低下している。

③ 遺産分割をしないまま相続が繰り返され、土地共有者がねずみ算式に増加してしまった。

【所有者不明土地の問題点】

① 解消を図る際に所有者の探索に多大な時間と費用が必要となります(戸籍・住民票の収集、現地訪問等の負担が大きい)。

② 所有者の所在等が不明な場合には、土地が管理されず放置されることが多く、隣接土地への悪影響も生じやすい。

③共有者が多数の場合や一部所在不明の場合、土地の管理・利用のために必要な合意形成が困難となります。そして、いざ公共事業や復旧・復興事業や、民間取引が阻害されるなどの弊害が生じます。

さらに、所有者不明土地は高齢化の進展による死亡者数の増加等により、何もしないと今後ますます深刻化する可能性が高いといえます。この対策として、民法等の一部を改正する法律(民法等一部改正法)、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(相続土地国庫帰属法)により対策が講じられました。次回以降で具体的な内容を見ていきます。

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