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2024.12.11

民法

所有者不明土地について 相続登記の義務化

前回から引き続き所有者不明土地について説明いたします。まずは相続登記の申請が義務化されました。令和6年4月1日に施行されています。

1.不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることを義務付けられました 。「正当な理由」がないのに申請を怠ったときは、10万円以下の過料の適用対象となります(同164条)。

この「正当な理由」には下記の例が挙げられています。

① 数次相続が発生して相続人が極めて多数に上り、かつ、戸籍関係書類等の収集や他の相続人の把握等に多くの時間を要する場合
② 遺言の有効性等が争われている場合
③ 重病等である場合
④ DV被害者等である場合
⑤ 経済的に困窮している場合

2.相続人申告登記の新設
相続人が、登記名義人の法定相続人である旨を申し出ることが申請義務の履行手段の一つとなります(単独で申告可・添付書面も簡略化・非課税)。これにより相続登記の申請義務を簡易に履行することが可能になります。ただし、所有権の移転登記ではないので、持分は登記できません。

3. 以下、具体例にみていきます。

① 3年以内に遺産分割が完了している場合

・3年以内に遺産分割の内容を踏まえた相続登記の申請が可能なら登記すれば問題ありません。

・それが難しい場合等においては、3年以内に相続人申告登記の申出(法定相続分での相続登記の申請でも可)を行った上で、遺産分割成立日から3年以内に、その内容を踏まえた相続登記の申請を行います。

② 3年以内に遺産分割協議が完了しなかった場合

・まずは、3年以内に相続人申告登記の申出(法定相続分での相続登記の申請でも可)を行います。

・その後に遺産分割が成立したら、遺産分割成立日から3年以内に、その内容を踏まえた相続登記の申請を行います。

・その後に遺産分割が成立しなければ、それ以上の登記申請は義務付けられません。

③ 遺言書があった場合
遺言書によって不動産の所有権を取得した相続人が取得を知った日から3年以内に遺言書の内容を踏まえた登記の申請(相続人申告登記の申告でも可)を行います。

④ 経過規定
施行日(令和6年4月1日)前に相続が発生していたケースについても申請義務は課されます。具体的には下記のいずれか遅い日から3年以内に登記が必要となります。

・相続による所有権の取得を知った日
・施行日(令和6年4月1日)。

4.登録免許税の免税措置
・価額が100万円以下の土地に係る相続登記等について登録免許税の免税措置が実施されています(令和7年3月31日まで)。

・相続(相続人への遺贈を含む)により土地を取得した個人が相続登記をしないで死亡したとき、当該個人の相続登記について登録免許税を課されません(令和7年3月31日まで)。

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