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2026.07.25

民法

遺言書の必要性 不動産以外にめぼしい財産が無い場合

不動産は、相続でトラブルになりやすい財産です。端的に言えば、被相続人が不動産(特に実家)以外にめぼしい財産を有していない場合には遺産分割が困難になります。

理由は明確で、分けにくい・売却が大変・評価が難しい・維持管理が必要という4つの問題を抱えているからです。もちろん、持って逃げることも隠すこともできません(笑)
 

まず、不動産は現金のように均等に分けられません。兄弟が3人いても、土地を3等分することは現実的ではありません。もちろん、共有することもできますが、誰かが売却したいと思っても、他の共有者が反対すれば何もできません。
 

また、人気のある不動産ばかりではありません。路線価自体が元々は相続税算定・納付のために換金の基準であり、いわゆる時価の80%相当という水準で設定されています。要は、相続税納付のために不動産を売る場合には、『売り急ぐ』ことになりかねないことに配慮して、相続税の基準は『時価』より低い金額で設定されています。

では本来は路線価程度で売れるべきなのでしょうが、地方の土地や、駅や幹線道路から離れた条件の悪い土地などは路線価以下でも買い手が付かずさらに下回る価格でしか売れないケースもあるようです。端的に言えば、思った価格で換金できない可能性があり、それが相続人間の対立を生みます。

 
次に評価の困難性があります。例えば相続人が兄弟2人とします。長男が住んでいた実家を相続し、家を出ていた次男が現預金を相続するとします。次男が相続した現預金の金額ははっきりしています。しかし長男が相続した自宅の価値はどうでしょうか?都内など高く売れる土地でも実際に長男が住み続けるのであれば、長男には1円も入ってきません。固定資産評価額、路線価、公示価格、あるいは不動産サイトの近隣の取引価格など不動産にはさまざまな価格があります。しかし、住み続ける限りは長男に収入が生じるわけではありません。そこで相続人の間で不公平感が生じます。
 

最後に、不動産は維持管理コストがかかります。固定資産税、草刈り、修繕、災害対策、空き家対策等を誰が負担するのかで揉めます。アパートや駐車場で一定の収入が見込まれる不動産ならばそれらのコストを吸収できるかもしれませんが、収益が見込めない不動産は相続人は負担だけを抱えてしまいます。


このため、土地の所有者が遺言書で「誰に相続させるか」「売却すべきか」「共有するか」意思表示しておくことで、相続人に一定の指針を示すことができます。また、負動産になりかねない不動産(田舎の実家や農地、山林など)は生前になるべく処分しておくことも大切かと思います。

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