2026.10.25
民法
籍を入れていない夫婦に相続権はある?事実婚と相続の落とし穴
こんにちは、京から相続相談室の税理士の中井です。
めっきり秋めいてまいりました。これから京都は秋の観光シーズンになります。また、秋は様々な食べ物がおいしくなる季節ですね。秋の京都は楽しみがいっぱいです。私はやっぱりサンマ好きですね。
先日を担当させていただいたご夫婦はとても仲睦まじくされておられましたが、話をお伺いすると籍を入れておられない事実婚のご夫婦でした。近年、「事実婚」や「内縁」という言葉を耳にする機会が増えました。相続に関しては、この内縁の配偶者の取扱いは、制度によって大きく異なります。
特に、民法・税法・行政上の制度では考え方が異なるため、正しく理解しておくことが大切です。
民法上の取扱い
相続を定めている民法では、相続人となる配偶者は法律上の婚姻届を提出した配偶者に限られます。そのため、婚姻届を提出していない内縁(事実婚)の配偶者には、原則として法定相続権はありません。たとえ何十年も一緒に生活していたとしても、それだけで法定相続人になることはできません。
参考記事:相続人になれない場合
一方、法律上の配偶者であれば、別居していた場合でも配偶者として相続権があります。なお、内縁の配偶者に財産を残したい場合には、生前に遺言書を作成し、遺贈する意思を明確にしておくことが重要です。
ただ、民法752条に規定される同居義務などは婚姻に準じる関係として内縁関係にも適用されるようですね。
税法上の取扱い
税法でも、配偶者は法律上の配偶者に限られます。よって、相続税、贈与税、所得税も配偶者控除の税額軽減などの優遇措置は一切受けることができません。税法は法的安定性を重視しますので当然と言えば当然だと思います。
行政上・社会保障上の取扱い
一方、行政や社会保障制度では、内縁(事実婚)の関係が一定程度保護される場面があります。例えば、住民票では一定の要件を満たす場合、「夫(未届)」「妻(未届)」と記載することができます。
また、遺族厚生年金についても、実際に夫婦として共同生活を営み、生計を維持していたことなどの要件を満たせば、内縁の配偶者が受給できる場合があります。さらに、健康保険や勤務先の福利厚生制度でも、事実婚の配偶者を対象としている場合があります。
このように、行政や社会保障制度では、実態を重視して内縁関係を保護する制度が設けられています。
制度によって取扱いが異なることに注意しましょう。また、普段の生活では不自由を感じることも少ないかと思います。しかし実際には、 民法では相続権はありません。また、税法でも法律上の配偶者に認められる優遇措置は受けられません。
事実婚のカップルは、遺言書や生命保険、生前贈与などを駆使しないと財産をパートナーに承継できない可能性がありますので注意が必要です。特に、事実婚のカップルのどちらか、あるいは双方に子供や兄弟姉妹など法定相続人がいる場合にはその方の権限が強くなります。
これは完全に私見で恐縮ですが、長年事実婚を続けられたカップルも相続が見えてきた段階で籍を入れるというのもよいかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
相続のご相談はお気軽に京から相続相談室へ。こちらからご連絡ください。
めっきり秋めいてまいりました。これから京都は秋の観光シーズンになります。また、秋は様々な食べ物がおいしくなる季節ですね。秋の京都は楽しみがいっぱいです。私はやっぱりサンマ好きですね。
先日を担当させていただいたご夫婦はとても仲睦まじくされておられましたが、話をお伺いすると籍を入れておられない事実婚のご夫婦でした。近年、「事実婚」や「内縁」という言葉を耳にする機会が増えました。相続に関しては、この内縁の配偶者の取扱いは、制度によって大きく異なります。
特に、民法・税法・行政上の制度では考え方が異なるため、正しく理解しておくことが大切です。
民法上の取扱い
相続を定めている民法では、相続人となる配偶者は法律上の婚姻届を提出した配偶者に限られます。そのため、婚姻届を提出していない内縁(事実婚)の配偶者には、原則として法定相続権はありません。たとえ何十年も一緒に生活していたとしても、それだけで法定相続人になることはできません。
参考記事:相続人になれない場合
一方、法律上の配偶者であれば、別居していた場合でも配偶者として相続権があります。なお、内縁の配偶者に財産を残したい場合には、生前に遺言書を作成し、遺贈する意思を明確にしておくことが重要です。
ただ、民法752条に規定される同居義務などは婚姻に準じる関係として内縁関係にも適用されるようですね。
税法上の取扱い
税法でも、配偶者は法律上の配偶者に限られます。よって、相続税、贈与税、所得税も配偶者控除の税額軽減などの優遇措置は一切受けることができません。税法は法的安定性を重視しますので当然と言えば当然だと思います。
行政上・社会保障上の取扱い
一方、行政や社会保障制度では、内縁(事実婚)の関係が一定程度保護される場面があります。例えば、住民票では一定の要件を満たす場合、「夫(未届)」「妻(未届)」と記載することができます。
また、遺族厚生年金についても、実際に夫婦として共同生活を営み、生計を維持していたことなどの要件を満たせば、内縁の配偶者が受給できる場合があります。さらに、健康保険や勤務先の福利厚生制度でも、事実婚の配偶者を対象としている場合があります。
このように、行政や社会保障制度では、実態を重視して内縁関係を保護する制度が設けられています。
制度によって取扱いが異なることに注意しましょう。また、普段の生活では不自由を感じることも少ないかと思います。しかし実際には、 民法では相続権はありません。また、税法でも法律上の配偶者に認められる優遇措置は受けられません。
事実婚のカップルは、遺言書や生命保険、生前贈与などを駆使しないと財産をパートナーに承継できない可能性がありますので注意が必要です。特に、事実婚のカップルのどちらか、あるいは双方に子供や兄弟姉妹など法定相続人がいる場合にはその方の権限が強くなります。
これは完全に私見で恐縮ですが、長年事実婚を続けられたカップルも相続が見えてきた段階で籍を入れるというのもよいかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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