2026.11.01
税法
事実婚(内縁)のパートナーの相続権と税法の取り扱い
こんにちは、京から相続相談室の税理士の中井です。
本日から11月になります。京都は観光シーズンとなります。街がなんとなく活気づく気がします。
さて、前回から引き続き事実婚(内縁)関係の話です。事実婚(内縁)の夫婦の一方が亡くなった場合、残されたパートナーは、そのまま相続人になるのでしょうか。
参考記事:籍を入れていない夫婦に相続権はある?事実婚と相続の落とし穴
参考記事:事実婚(内縁)のパートナーに財産を残すには?
民法第890条は、被相続人の配偶者は常に相続人となることを定めています。しかし、ここでいう「配偶者」は法律上の婚姻関係にある配偶者を指します。内縁関係にある人は、実質的には夫婦と同じような生活をしていたとしても、法定相続人には含まれません。
例えば、Aさんが長年にわたってBさんと内縁関係にあり、二人で生活していたとします。Aさんが亡くなった場合、Bさんには法律上の相続権がありません。Aさんに子がいれば、その子が相続人となります。
子がいない場合には、父母などの直系尊属が相続人となり、それらの人もいない場合には兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹が先に亡くなっている場合には、その子である甥・姪が代襲相続人となることがあります。このため、内縁関係のケースでは、残された内縁のパートナーと、被相続人の法定相続人が一致しないことがあります。
例えば、被相続人に子がなく、両親もすでに亡くなっている場合、法定相続人が兄弟姉妹になることがあります。「長年一緒に生活してきた内縁のパートナー」と、「ほとんど付き合いのない兄弟姉妹」が、相続という場面では対立する立場になることもあります。このような場合に、被相続人が遺言を作成し、内縁のパートナーに財産を遺贈することによって財産を承継させることができます。
長くなりましたが、ここまでは前回の復習みたいな内容です。
今回は、内縁のパートナーが取得した財産には相続税がかかるのかを考えます。「内縁の妻には相続権がない」と聞くと、「内縁の妻には相続税も関係ない」と考えてしまうかもしれません。
しかし、これは別の問題です。
内縁の配偶者は法定相続人ではありませんが、遺言書による遺贈などによって財産を取得することはできます。そして、相続や遺贈によって財産を取得すれば、法定相続人でなくても相続税の課税関係が生じることがあります。
民法上、配偶者は常に相続人となりますが、内縁関係にある人は法定相続人には含まれません。例えば、被相続人に子がいる場合、その子が法定相続人となります。内縁の妻は長年同居していたとしても、法定相続分を持つ相続人にはなりません。
そこで、被相続人が「内縁の妻に自宅を遺贈する」という遺言を残していた場合を考えてみます。内縁の妻は、この遺言によって自宅を取得することができます。しかし、その自宅の取得は無税になるわけではありません。
相続税は、相続や遺贈によって財産を取得した場合に、その取得した財産について課税されるのが原則です。相続人以外の人が遺贈によって財産を取得した場合も、相続税の対象となることがあります。
さらに、内縁の配偶者の場合には注意すべき点があります。
相続税には、被相続人の配偶者や一親等の血族など以外の人が財産を取得した場合、その人の相続税額に20%を加算する「相続税額の2割加算」という制度があります。
内縁の配偶者は、法律上の配偶者ではありませんので、内縁の妻が遺贈によって財産を取得した場合には、法律上の配偶者とは異なり、相続税額の2割加算の対象となる点にも注意が必要です。
つまり、内縁の配偶者に財産を残す場合には、下記を分けて考える必要があります。
「法定相続人ではない」・・・法律婚ではない
「遺言書があれば財産を取得できる」・・・ただし法定相続人には遺留分あり
「取得すれば相続税が課税される場合がある」・・・被相続人の相続財産が基礎控除以下なら相続税は課税されません
「相続税額の2割加算の対象となる」・・・法定相続人ではないので
「配偶者の税額軽減は受けられない」→ここは次回詳しく説明します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
相続のご相談はお気軽に京から相続相談室へ。こちらからご連絡ください。
本日から11月になります。京都は観光シーズンとなります。街がなんとなく活気づく気がします。
さて、前回から引き続き事実婚(内縁)関係の話です。事実婚(内縁)の夫婦の一方が亡くなった場合、残されたパートナーは、そのまま相続人になるのでしょうか。
参考記事:籍を入れていない夫婦に相続権はある?事実婚と相続の落とし穴
参考記事:事実婚(内縁)のパートナーに財産を残すには?
民法第890条は、被相続人の配偶者は常に相続人となることを定めています。しかし、ここでいう「配偶者」は法律上の婚姻関係にある配偶者を指します。内縁関係にある人は、実質的には夫婦と同じような生活をしていたとしても、法定相続人には含まれません。
例えば、Aさんが長年にわたってBさんと内縁関係にあり、二人で生活していたとします。Aさんが亡くなった場合、Bさんには法律上の相続権がありません。Aさんに子がいれば、その子が相続人となります。
子がいない場合には、父母などの直系尊属が相続人となり、それらの人もいない場合には兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹が先に亡くなっている場合には、その子である甥・姪が代襲相続人となることがあります。このため、内縁関係のケースでは、残された内縁のパートナーと、被相続人の法定相続人が一致しないことがあります。
例えば、被相続人に子がなく、両親もすでに亡くなっている場合、法定相続人が兄弟姉妹になることがあります。「長年一緒に生活してきた内縁のパートナー」と、「ほとんど付き合いのない兄弟姉妹」が、相続という場面では対立する立場になることもあります。このような場合に、被相続人が遺言を作成し、内縁のパートナーに財産を遺贈することによって財産を承継させることができます。
長くなりましたが、ここまでは前回の復習みたいな内容です。
今回は、内縁のパートナーが取得した財産には相続税がかかるのかを考えます。「内縁の妻には相続権がない」と聞くと、「内縁の妻には相続税も関係ない」と考えてしまうかもしれません。
しかし、これは別の問題です。
内縁の配偶者は法定相続人ではありませんが、遺言書による遺贈などによって財産を取得することはできます。そして、相続や遺贈によって財産を取得すれば、法定相続人でなくても相続税の課税関係が生じることがあります。
民法上、配偶者は常に相続人となりますが、内縁関係にある人は法定相続人には含まれません。例えば、被相続人に子がいる場合、その子が法定相続人となります。内縁の妻は長年同居していたとしても、法定相続分を持つ相続人にはなりません。
そこで、被相続人が「内縁の妻に自宅を遺贈する」という遺言を残していた場合を考えてみます。内縁の妻は、この遺言によって自宅を取得することができます。しかし、その自宅の取得は無税になるわけではありません。
相続税は、相続や遺贈によって財産を取得した場合に、その取得した財産について課税されるのが原則です。相続人以外の人が遺贈によって財産を取得した場合も、相続税の対象となることがあります。
さらに、内縁の配偶者の場合には注意すべき点があります。
相続税には、被相続人の配偶者や一親等の血族など以外の人が財産を取得した場合、その人の相続税額に20%を加算する「相続税額の2割加算」という制度があります。
内縁の配偶者は、法律上の配偶者ではありませんので、内縁の妻が遺贈によって財産を取得した場合には、法律上の配偶者とは異なり、相続税額の2割加算の対象となる点にも注意が必要です。
つまり、内縁の配偶者に財産を残す場合には、下記を分けて考える必要があります。
「法定相続人ではない」・・・法律婚ではない
「遺言書があれば財産を取得できる」・・・ただし法定相続人には遺留分あり
「取得すれば相続税が課税される場合がある」・・・被相続人の相続財産が基礎控除以下なら相続税は課税されません
「相続税額の2割加算の対象となる」・・・法定相続人ではないので
「配偶者の税額軽減は受けられない」→ここは次回詳しく説明します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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